第1部<機は熟した>
まだ見ぬキラー・アプリに備え
アイデアはすぐに試行する

 家庭内ネットワークを活用する機器が数多く市場に出回るようになった。長い間議論を続けてきた成果がようやく製品という形で登場し,普及への道を順調に歩み始めたかに見える。果たしてこの先に何が待っているのだろうか。まだ見たことのないような新しい機能を持った機器が登場するだろうし現時点では実現できていない機器連携によって便利にしたいという要求も出てくるだろう。このままでは,家庭内ネットワークが持つ潜在能力を生かしきれずに終わってしまうかもしれない。

第2部<緩い標準化>
相手をその都度理解して
個々の機器の特徴を生かす

 家庭内ネットワークの新たな基盤として求められるのはメーカーの違いと時期の違いを超えられる相互接続性である。機器同士や操作者が,接続するたびに相手を理解できるようになれば家庭内にあるさまざまな機器の特徴を生かした連携が可能になる。WWWサーバーとWWWブラウザーの関係を家庭内ネットワークに持ち込んでもいいしサーバー機のアプリケーション・ソフトウエアで培った分散コンピューティングの発想を生かしてもいい。