日経ものづくり 速報

10年の耐久性にメド立つも
家庭用燃料電池メーカーは背水の陣

日経ものづくり 速報  家庭用PEFC(固体高分子型燃料電池)システムの本格普及への課題は四つある。「性能」「耐久性」「信頼性」「価格」だ。このうち,まず性能面での課題クリアにメドが立った。1次エネルギの平均削減率は2004年の前半に10%を超え,経済産業省が実施している「定置用燃料電池大規模実証事業」で設置された175システムの,2005年10月から2006年9月までの平均削減率は15%を上回った。これをCO2削減率に換算すると28%になる。

 耐久性の課題クリアについても大きく進展している。2007年5月16~17日開催の「燃料電池シンポジウム」では,耐久性の向上を印象付けた。

10年間,4万時間にメド

 大阪ガスと東京ガス,新日本石油の3社は共同で,東芝燃料電池システム(本社東京),三洋電機,松下電器産業製のPEFCスタックで進めている長期運転試験の途中経過を報告した。試験開始時期の早かった三洋電機と松下電器のPEFCスタックの運転時間は1万8000時間を経過したが,「電池電圧などで顕著な低下はなかった」(大阪ガス)。