日経ものづくり 私が考えるものづくり

日経ものづくり 私が考えるものづくり  設計開発のプロセス改革で打ち 出しているのが「作らずに創る」 という方針です。実際はもっと激しい 言い方をしていまして,試作品を造る なと。「試作レス,評価レス,検査レス」 まで行こうじゃないかと言っています。 現状ではまだそこまでは行っていませ んが。

 試作品を造って評価するといって も,今どきの複雑で高機能な製品は 評価しきれるものではないです。むし ろ試作品を造らない方がはるかに精 度の高いことができるんですよ。例え ば筐体や骨組みの強度を確保してい くときも,シミュレーションに基づきま すよね。FEMみたいなシミュレーショ ン・ツールと品質工学を組み合わせ て,バーチャルな評価をする方が精度 がはるかに高い。その理由の一つは, 例えばお客様のところでこんなひど い環境で製品を使うことがあるかも しれない,といったように誤差因子を 組み込んで評価できること。そういう ことができるのがコンピュータの良い ところでしょう。

 理想を言えば,試作はしたくない, 実機での評価もしたくない。一発で 立ち上げたいと思っています。