日経オートモーティブ イベントレポート

上海モーターショー2007
セダンからの多様化が進む
ミニバンやスポーティ車相次ぐ

中国で2007年4月に上海モーターショ ー2007(Auto Shanghai 2007)が 開催された(図)。中国のクルマはセダ ンが多いが、ここにきて富裕層が増えて きたこともあり、人も荷物も搭載できる 多目的車や、走りを楽しむスポーティな 高級車など、各社ともに幅広い嗜好を反 映した車種展開が見られた。

 中国の2006年のクルマの販売台数は 約700万台。市場は急速に伸びており、 トヨタ自動車については「台数ベース で前年比80 %増えている」(説明員)ほ どだ。
 実用的なセダンを選ぶユーザーが多 い中、市場拡大に合わせて、ユーザー の好みも多様化している。会場では、 人も乗れて荷物も運べる、MPV(多目 的車)やミニバン、ハッチバック車な どの出展が相次いだ。また、富裕層の 増加を受けて、欧州メーカーを中心と したスポーティーなクルマへの関心も 高かった。技術的には、ハイブリッド や燃料電池車の展示もあった。

荷物も人も運べるクルマ

 ダイハツ工業は、小型MPV(多目 的車)「Xenia」( セニア)を出展した 。
 中国市場におけるダイハツブランド の初の車両だ。2007年6月に発売予定 で、価格帯は7万~10万元(119万~ 170万円、1元=17円で換算:以下同)に なる見通し。販売目標は年間3万台だ。
 中国は市場が急拡大する傾向にある が、参入企業も多く競争が激しいのが 実情だ。
 そこで、同社はグローバル戦略車の Xeniaを中国市場向けに投入すること でコストを抑えつつ、顧客ニーズの多 様化に対応する。「初めてクルマを購 入する顧客向けに、人も荷物も運べて 多目的用途で使えるクルマとして売り 込む。日本で当社が強みとしている軽 自動車は、日本仕様であることからコ スト競争力には限界があり、現地メー カーの方がより低コストで販売してい るので導入は難しい」(説明員)。

日経オートモーティブ イベントレポート
図●上海モーターショー2007の会場
会場はNew International Expo Center。地下鉄2号線とリ ニアモーターカーの駅「龍陽路」から歩いて15分程度に位置 する。