ハラパン・メディアテック 代表取締役
宇野 俊夫

 リアルタイムOSを利用したソフトウエアを設計する際には,並行して動作する複数のタスクに分割する作業が必要になる。このタスク分割の基準として広く知られているのが,ソフトウエア工学の研究者であるHassan Gomaa氏が提案した構造化基準である。タスクの数が増えるとオーバーヘッドが大きくなり,タスクの数が減ると1個のタスクの複雑さが増す。このトレードオフの最適解を探るための一定の基準として利用しようというものである。

 この基準でも示されているように,タスク分割を考える上での大きな要素となっているのが入出力デバイスである。まず入出力デバイスごとにタスクを分割し,その後で可能な範囲でまとめていくという順序で考えることが多い。タスクをまとめられるかどうかは,入出力デバイスの種類や,時間的な制約によって判断する。

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