「部品原価は全部で1万円くらいかな。汎用部品の多用やほとんどの部品を実装した1枚基板などを見ると,安く作るために知恵を絞ったという印象を受けますね」─。本誌が独自に入手し,分解した「PV150」を見たある大手電機メーカーの携帯機器技術者の感想だ。設計面から見たPV150の特徴はコスト削減に注力したことで,組み立ての容易さを考慮した構造や部品の選択などに現れている。

  PV150はシャープが米Danger, Inc.と共同で開発・製造し,米国の携帯電話事業者T-Mobile USA, Inc.が「Sidekick iD」という名称で2007年4月25日に米国で発売したPDA型携帯電話機(スマートフォン)である。QWERTY配列のフルキーボードを搭載し,GSM方式の携帯電話,大手3社のサービスに対応するインスタント・メッセージング(IM),電子メールやWWWブラウザー,ゲームなどの機能を持つ