日経ものづくり 詳報

メーカーを直撃する消安法改正
フェイルセーフ設計が必須に

 改正消費生活用製品安全法(消安法)が,2007年5月14日から施行される。この法改正によって企業は新たな義務を課せられることになった。自社の製品で「重大事故」が発生した場合,その事実を監督官庁に報告しなければならない。

っかけはCO中毒事故

 法改正のきっかけは,松下電器産業の強制給排気(FF)式石油温風機で発生した一酸化炭素(CO)中毒事故にある1)。2005年1月以降,同社製の石油温風機でCO中毒事故が相次ぎ発生。同社は同年4月に社告を出し,自主的な点検・回収を進めた。だが,同年11月21日,新たなCO中毒事故が起きる。事故発生時点で同社が行方を把握していた温風機の台数は,販売総数の約36%。この事態に業を煮やした経済産業省は,消安法の第82条(当時)に基づき,事業者に再発防止策の実施(製品の回収など)を要求する「緊急命令」(当時,法改正後は「危害防止命令」)を,同月29日に発動した。緊急命令の発動は,法制定(1973年)以来,このときが初めてである。

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経済産業省による説明会の様子