「次は家電の番だ」。これまでは主にパソコンやサーバー機に対する脅威だったマルウエアや不正アクセスなどが,いよいよデジタル家電のような組み込み機器でも本格的な問題になりそうだ。 もし,攻撃を受ければ機器が正常動作しない,個人情報が搾取されるなどさまざまな問題が起こり,機器メーカーは大きなダメージを被る危険性がある。こんな「負」のシナリオの実現を防ぐためにも,機器メーカーは今すぐセキュリティー対策に本腰を入れる必要がある。

[トレンド編]
 2007年1月,セキュリティー対策が厳重なことで知られる政府系のある研究機関にマルウエアが侵入した。同研究機関内のネットワークに接続したパソコンへの不正なアクセスが検知されたことで発覚した。アクセス元を解析してみるとパソコンではなく,ネットワークに接続して使っているNAS(ネットワーク対応記憶装置)だった。

[対策編]
 組み込み機器におけるセキュリティー対策の基本に,パソコンと大きな違いはない。「パソコンと同様の機能を持つ組み込み機器には同様の脆弱性が存在し,同様の攻撃が成立する可能性がある」(eEye社の鵜飼氏)からだ。