本講座では民間検定の「知的財産検定2 級」水準の問題を解きながら,技術者向けに知的財産の常識を解説する。第2回の今回は,特許の「権利化(保護)」について取り上げる。技術者は特許を戦略的に権利化するために,知財部員や弁理士に対して技術情報を漏れなく開示する必要がある。(木村 雅秀=本誌)

斉藤 達也
片寄・斉藤特許事務所(虎ノ門オフィス)代表
弁理士

 今回は知的創造サイクルにおける特許の「権利化(保護)」ステージを説明する。このステージで技術者に求められるのは「知」の開示である。技術者が自己の発明に関する知識を知的財産部や弁理士に漏れなく開示することで,発明を保護する上で最適な戦略的判断を下すことが可能になる。実際には知的財産部が「発明提案書」などの名称の書類を準備している場合が多いので,そこに記入する。