Anant Agarwal
米Massachusetts Institute of Technology(MIT),Professor
米Tilera社,Chief Technology Officer

Markus Levy
米EEMBC,President
米Multicore Association,President

動作周波数を高めると消費電力が大幅に増えてしまう。その一方で,パイプライン段数の追加や複雑なout-of-order実行といったアーキテクチャの改良では抜本的な性能向上は見込めない──。こうした袋小路に迷い込んだマイクロプロセサ設計者がすがったのが,複数のCPUコアを1チップに集積するマルチコアへの転換である。これまでのシングルコア品とは,設計の考え方や評価基準が大きく変わることになる。MITで16コアのマイクロプロセサ「Raw」の開発に携わったAnant Agarwal氏と,マルチコア型マイクロプロセサの普及に向け「Multicore Association」を率いるMarkus Levy氏が,マルチコアの可能性と課題,そしてマイクロプロセサやSoCの設計における変化を解説する。 (竹居 智久=本誌)