日経オートモーティブ 連載

事例に見るPLM活用・最終回

MDI-II 活動で
バーチャル開発強化

最終回となる今回は、マツダのMDI(Mazda Digital Innovation)を取り上げる。同社は1996年から、開発期間の短縮と利益の出る体質作りを進めてきた。2004年からのMDI-IIでは、創造性の発揮、品質およびスピードをさらに向上させようとしている。

マツダ
MDI・MPDS企画推進部
主幹
河内 正行


 マツダは1996年8月から2004年3月までの8年間にわたり、MDI-II 活動を展開し、2004年4月からは新たにMDI-II 活動をスタートさせた。
 MDIの目指す姿は、「機敏な開発」と「小ロットでも利益が出る体質」の二つであり、このために商品企画から生産までのすべての領域を対象に、全社横断的に最新情報技術を有効に活用している。
 MDIのフレームワークは、デジタルの世界と物理的なモノ(フィジカル)の世界、そして情報の世界の三つをシームレスにつなぎ、三位一体としていることが大きな特徴である。この活動では、デザインおよび設計における3次元データと、現実のモノとをうまく融合させることを重視しており、モノづくりや実車を使った実験の領域までもMDIで革新する対象としている。