日経オートモーティブ イベントレポート

ジュネーブ・モーターショー2007
環境対応技術が主役
小型車で日欧韓が新型車

2007年3月に開催されたジュネーブ・モーターショー2007(77e Salon International de l'Auto et Accessoires=図)。華やかなカロッツェリア(デザイン会社)のコンセプトカーがずらりと並ぶのがこのショーの特徴だが、今年それらの作品以上に目立ったのが、新型の市販車や市販を前提としたコンセプトカーだった。

 日本と同様に、記録的な暖冬に見舞われた今年の欧州。ジュネーブも例外ではなく、地元の人たちは「一足早く春が来たようだ」と驚く。その暖冬との関連が取り沙汰される地球温暖化が、このショーでも大きなテーマだった。トヨタとホンダがハイブリッドのコンセプトカーを持ち込む一方で、欧州メーカーはディーゼル車の燃費向上・クリーン化をアピール。さらに日欧韓のメーカー各社がコンパクトカーの新型車をこぞって展示した。ニッチ市場の開拓を狙った、新型クーペやSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)の出展も目立った。

トヨタと日産がハイブリッドコンセプト

 冒頭で挙げたように、トヨタブースとホンダブースの目玉はハイブリッドのコンセプトカー。トヨタが出展した「Hybrid X」は欧州のデザイン拠点「ED2」でデザインしたもので、ボディサイズは全幅を除けば現行の「プリウス」に近く、2008年にも登場するといわれる次期「プリウス」をイメージしたモデルと見られている。
 ボディタイプはセンターピラーのない観音開きの4枚ドアを持つ5ドアハッチバック車。運転席と助手席の頭上はガラスルーフで、また後席の頭上はリアウインドーからつながっている。フロントウインドーがヘッドランプまでカバーしているのも特徴。室内では、後席が左右に1人分ずつ分離しており、それぞれ外側に12度傾けて配置しているのが特徴だ。ただ、肝心のハイブリッドシステムの詳細については公表していない。

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図●ジュネーブ・モーターショーの会場
ジュネーブ空港近くのPalexpoで開催。自動車を生産していないスイスでの開催だけに、海外からの来場者も多く、さまざまな国の言葉が飛び交う。