日立ディスプレイズと日立製作所は,携帯電話機向けVGA(640×480画素)品などの小型で高精細な液晶パネルを,「従来の1/10程度」(日立ディスプレイズ)と小規模な投資額で製造できるようにする技術を開発した。アモルファスSi TFTの生産ラインにおいて,パネルの任意の個所に低温多結晶Si TFTを形成する技術である。この技術を応用すれば,アモルファスSi TFTの生産ラインしか保有しないメーカーでも,小型で高精細なパネルの生産が可能になる。

 フルブラウザーの視聴やデジタル・カメラで撮影した映像を視聴する携帯機器が増える中,端末に搭載する液晶パネルには高精細化が求められている。例えば,携帯電話機では今後,VGAパネルを搭載する端末も続々と登場する見込み。需要が増えつつあるこうした小型で高精細な液晶パネルには,一般にアモルファスSi TFTより電子移動度が大きい低温多結晶Si TFTが向く。より複雑な回路を集積する必要があるからだ。