ロームは,既存の青紫色半導体レーザに比べ消費電力を半減できる可能性のある青紫色半導体レーザを開発した。GaN結晶の非極性(nonpolar)面と呼ばれる面上に青紫色半導体レーザの構造を作製した。連続発振可能で,しきい値電流は36mA,光出力は10mW以上と市販品に近い。導波路幅は1.5μm,導波路長は600μmと既存のレーザと同程度の大きさである。消費電力を削減できる点に着目し,既に複数のメーカーからの問い合わせがあったという。

 現段階では,消費電力はまだ大きい。具体的には10mW出力時の消費電力は約460mWと,低消費電力をうたう市販品に比べて2倍以上である。ただし,消費電力を引き下げる道は見えている。試作品では,共振面となる素子端面での光の反射率を高められるコーティングを施していないからだ。コーティングするなどの改善を加えれば,「しきい値電流を約15mA程度と,市販品の半分程度に削減できるだろう。しきい値電圧も低くできるので,消費電力を半分以下に減らせる可能性が高い」(ローム 研究開発本部 取締役本部長の高須秀視氏)。