単純マトリクス型有機ELディスプレイが急激に普及している。きっかけとなったのは価格の下落と長寿命化である。文字や簡単な図形の表示に使われる1色品の場合,価格はバックライトを使った透過型の液晶ディスプレイの1~2倍に収まるものも出てきた。寿命は1万時間以上の製品が続々と登場しているという。短時間で画面をすぐにオフにするなど,使い方を工夫すれば携帯機器の耐用年数の間,使えるレベルに達した。携帯機器のほか,車載機器での使用実績も増えてきた。液晶ディスプレイや蛍光表示管の代替として,今後はさまざまな機器に使われそうだ。(宇野 麻由子)