「今までの自動車は,一度販売してしまうとその後は機能を変更できなかった。こうした状況を変える可能性があるOSGiのような技術には,興味を持っている」(日産自動車 プログラム・ダイレクターオフィス カーウイングス担当主幹の野辺継男氏),「OSGiを利用することによって,これまで機種やベンダーごとに独自のアプリケーション・ソフトウエアを用意してきた携帯電話機の開発体制は大きく変わるだろう」(フィンランドNokia Corp., Senior Director, Chief Java Architectで,OSGi AllianceのBoard of Directorsの一人であるJon C. Bostrom氏)――。

 OSGiとは,Java仮想マシン上で動作する実行環境と,一定の枠組みの下にJava言語で記述した「バンドル」と呼ぶ各種アプリケーション・ソフトウエアやミドルウエアから成るプラットフォームである。OSGiを用いることで,動作中のシステムを停止させることなく,アプリケーション・ソフトウエアを修正,更新,追加することが容易になる。さらに,一度開発したアプリケーション・ソフトウエアを再利用する際のしきいも下がる。

 OSGiの仕様は当初,通信事業者と通信機器ベンダーが1999年に業界団体「OSGi Alliance」を発足させ,インターネットを介して家庭内ネットワークにさまざまなサービスを提供するための「ホーム・ゲートウエイ」の機能として策定した。