大画面の薄型テレビ市場で,大きな地殻変動が起きている。2006~2007年にかけて,画面寸法が40型台の領域で,液晶パネルの出荷台数がPDPを逆転し始めたのだ。

 米DisplaySearch社の調査によれば,2006年における40型台の液晶パネルの出荷台数(公共表示向けも含む)は800万台で,PDPの980万台に及ばなかったが,2007年にはそれぞれ1690万台,1370万台となり,液晶パネルが大きく抜き去ると見込む。韓国Displaybank社は,既に2006年の時点で逆転現象が起きたと分析する。40型台の液晶パネルの出荷台数が780万台だったのに対し,PDPは740万台にとどまったという。

 薄型テレビ市場が立ち上がってからしばらく,40型台の領域はPDPテレビが市場をほぼ独占しており,PDPにとって最大の市場でもあった。PDPの市場を牽引してきた松下電器産業は「37型以上はPDP,32型以下は液晶」と,画面寸法によってパネル技術を線引きして使い分けることを明確に宣言し続けてきた。

 しかし,現在の市場を見渡すと,40型台の領域は一気に液晶テレビに侵略され始めている。PDP陣営は今,その将来へ向けた岐路に立たされた。