日経オートモーティブ 技術レポート

中国・インドのパワートレーン予測
小型エンジンと6AT伸びる中国
インドは1.5L以下が8割

 世界の自動車生産台数は、2012年に日本が2位、中国が3位、インドが5位となり、アジア地域が上位を占める。特に中国は994万台と日本にも迫る勢いだ。インドもブラジルを抜いて、ドイツに次ぐ360万台の自動車生産大国になる。

 こうした予測は、自動車業界専門の調査会社である米CSM Worldwide社が2006年11月に開催した顧客向けのブリーフィングで明らかにしたもの。発表によれば、ライトビークル(車両総質量3.5t以下)の生産台数は、米国がかろうじて1位を守るものの新興国の生産台数が急激に伸びる(図)。
 この中で特に伸びが大きいのが中国だ。2006年に500万台強の生産台数は2012年に1000万台弱と2倍に迫る成長を見せる。これに伴ってエンジンの生産台数も2006年の507万基から909万基に拡大する見込みだ。

中国は2012年に世界第3位
 その内訳を見ると、2012年で最も生産台数が多いのは排気量1.5~2.0Lのエンジンで、全体の40.97%となる。次に多いのが1.0~1.5Lの29.63%で、1.0L以下の10.47%を加えると、排気量2.0L以下だけで生産台数の8割を占める。一方、3.0~4.0Lの成長率はマイナス15.85%となり、ここからも大排気量エンジンから小型エンジンへのシフトが予想できる。
 ガソリンとディーゼルの比率は2012年にかけてディーゼルがわずかに増加する。2006年のシェアは2.67%であるが、これが2012年には3%に拡大するという。
 変速機に目を転じると、2006年に全搭載数の70%を占める手動変速機(MT)は、2012年に65%弱まで減少するが、相変わらず主流であり続ける。一方、自動変速機(AT)は徐々に増えていき、同時に変速段数の多段化が進みそうだ。
 2006年は全ATのうち、4ATが72%を占める。2012年は4ATが47%まで減少し、代わりに6ATが2006年の8.71%から30%以上へと躍進する見込みだ。なお、CVT(無段変速機)は2006年から2012年まで3.5%前後で推移すると予測している。

日経オートモーティブ 技術レポート
図●自動車生産台数の国別予測
2012年に中国は世界3位、インドは世界5位になると予想。(出典:米CSM Worldwide社)