東京大学 情報理工学系研究科 教授の平木敬氏の研究グループと,国立天文台 理論研究部 教授で天文シミュレーションプロジェクト プロジェクト長の牧野淳一郎氏の研究グループは,512個の要素プロセサ(PE)を1チップ上に集積した科学技術計算用のアクセラレータLSI「GRAPE-DR(greatly reduced array of processor elements with data reduction)」を共同開発した。汎用のマイクロプロセサと組み合わせて利用し,科学技術計算を高速化する役割を果たす。動作周波数は500MHzと低いものの,単精度で512GFLOPS,倍精度で256GFLOPSと高い浮動小数点演算性能を発揮する。消費電力は最大60Wと低く,現時点で製品化されているアクセラレータLSIの中では単位消費電力当たりの演算性能が群を抜いて高い。2007年度中にも協力メーカーを通じて,このLSIを2個搭載した演算性能1TFLOPSのアクセラレータ・カードを約100万円で発売する計画である。