ベンチャー企業の紫明半導体は,Si基板を利用しながら光出力を高めたGaN系発光ダイオード(LED)チップを開発した。青色LEDチップの光出力は20mA時で最大10mW。普及帯にあるサファイア基板を利用したものと同程度の出力である。

 一般にSi基板上にLEDを形成した方が低コスト化しやすい。理由は,Si基板は(1)大径品があり大量生産に向く,(2)サファイア基板よりも安い,(3)サファイア基板よりも軟らかく加工がしやすい,などである。それにもかかわらず,現行品の多くがサファイア基板を利用している。理由は,Si基板を利用すると結晶欠陥が生じて光出力が低下しやすいためである。