IPネットワークを使って映像などのコンテンツを配信する,いわゆる「IP放送」の国内仕様の検討が水面下で進んでいる。NGN(next generation network)の構築を予定する国内の通信事業者(キャリア)が主導する「IPSP」と呼ばれる非公式の会合が議論の場になっている。このIPSPは国内の有力家電メーカーの参加も得ている。

 電気通信の国際標準化機関であるITUでは,「IPTV」の標準化に興味を持った参加者が集う「ITU-T Focus Group IPTV」の議論が2006年7月に始まった。NTTとKDDIに加えて,シャープ,ソニー,東芝,日立製作所,三菱電機の7社はこの第1回会合に,国内で検討しているIP放送の形態を示した「IPTV Service Architecture」(FG IPTV-ID-0094)と題した文書を連名で提出した。この文書にはIPSPで検討した成果が反映されている模様だ。国内の7社は「CDN(content delivery network)」と呼ぶ管理されたネットワーク上でIPTVサービスを提供するものとした。