「思ったよりずっと小さい。部品も少ないな」「無理をしている部分が見当たらない」「部品の使い方がツボを押さえている」――。任天堂が発売したゲーム機「Wii」のメイン・ボードを見た技術者は,口々にこうした感想を漏らした。

 Wiiの外形寸法は「DVDケース三つ分」ほどの44mm×157mm×215.4mm。電源はACアダプタで供給するので,筐体に収まるのはメイン・ボードとスロット・ローディング方式の光ディスク装置だけ。メイン・ボードの寸法は132×195mmとA5判よりも少し小さい。ここにWiiの中核機能がまとまる。

 設計の面から見たWiiの特徴を一言で表すと「完成度の高さ」となる。徹底的に低コストを狙いながら,必要な部分には惜しみなくコストを掛ける。そのバランスを慎重に検討した跡がうかがえる。

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