汎用CPUコア「PPE」と複数の信号処理プロセサ「SPE」を備える,非対称のマルチコア・アーキテクチャを採用した「Cell」。ソニー・コンピュータエンタテインメントの「プレイステーション 3」だけではなく,今後ワークステーションやホーム・サーバー,デジタル・テレビなどへ広がる可能性がある。こうした機器にCellを搭載したときに欠かせないのが,マルチコア型マイクロプロセサの潜在的な性能を十分に引き出すプログラミング技術である。いかにして複数のSPEでうまく並列処理するかが性能を引き出す焦点となる。今回は,Cellを用いたシステムの開発に携わる東芝とフィックスターズの技術者たちに,3次元グラフィックスの描画を例に取り上げながら,Cellに最適化したソフトウエアを実装するためのプログラミング手法について解説してもらう。(根津 禎=本誌)

近藤 伸宏
東芝 セミコンダクター社
ブロードバンドシステムLSI事業統括部 主務
安田 絹子
フィックスターズ
Cell事業部 シニアマネージャー 基盤ソフトウェア研究開発部
上田 孝
フィックスターズ
Cell事業部 Cell開発1部