米Sun Microsystems, Inc.が2006年10月17日に発表した「Project Blackbox」と呼ぶ試作装置は一風変わっている。外観は武骨な運送用のコンテナそのもの。ところがその中にはラックに組み込んだサーバー機や電源装置,冷却設備などが完備してある。搭載するサーバー機は245台。一つでちょっとしたデータ・センター並みの処理性能を備える。

 Sun社の狙いは,規模を柔軟に拡張できるデータ・センターの実現手段を顧客に提供することにある。この装置をまるでブロック玩具のように積み重ねることで,所望の規模のデータ・センターをこれまでに比べて1/10の期間で構築できるという。しかもその後,処理性能を高める必要が生まれれば,装置を追加するだけでよい。

 こうした常識破りともいえるデータ・センターの実現手段が現れた背景には,データ・センターの運営者を悩ませている電力密度の問題がある。米Lawrence Berkeley National Laboratory(LBNL)の調査によると,学校や研究所といったさまざまな施設における単位床面積当たりの消費電力を比べると,データ・センターの値は突出して高い。