Steven R. Appleton氏
米Micron Technology, Inc.,Chairman of the Board,CEO

 「コスト競争なら負けません。DRAMで勝ち残ってきたのだから」。

米国半導体産業のリーダーの一人であるAppleton氏。同氏が率いるMicron 社は,価格低下と性能向上が進むCMOSセンサにおいて,数量ベースで世界トップ・シェアに立った。成功要因をAppleton氏は,次のように説明する。

 まず理解してもらいたいのは,当社がイメージング分野で長い歴史を持っているということです。創業して間もない1980年ころ,当社が取得した特許はイメージング関連でした。1990年代の終わりにはFED(field emission display)を研究していましたし,CCDの研究者もわずかですが抱えていました。ただ,昔は撮像素子を事業にするつもりはありませんでした。CCDを手掛ける日本勢が撮像素子の世界を独占していたからです。

 私の考えを変えたのは米Photobit Technology Corp.です。CMOSセンサを手掛けていた同社は,CEOとCFOが当社の元幹部で,その自然なつながりから当社に「CMOSセンサを製造しないか」と持ち掛けてきたのです。しかしその提案は,私の関心を引きませんでした。私が興味を持ったのはCMOSセンサの事業性でした。