無線LANと同等の速度で,Bluetoothよりも低消費電力…。携帯機器への搭載を想定した低消費電力の無線通信システムをソニーが開発,2006年9月中旬に開催された「2006年電子情報通信学会(信学会)ソサイエティ大会」で詳細を発表した。

 ソニーが想定している用途は,携帯機器のコンテンツを家庭内のテレビなどのAV機器やパソコンに転送する用途である。携帯機器を載せられる程度の大きさの専用リーダーの上にカメラや携帯電話機などを置くだけで,静止画をテレビに表示したり,大量のファイルをパソコンに一括転送したりできる。携帯機器に搭載する無線モジュールは,小型のメモリ・カードに内蔵することを想定している。これにより,本体に改造を加えることなく無線機能を追加できる。試作したリーダーは無線通信機能のほかに,コンポジットやUSBなどの機器接続用インタフェースと電源,ソフトウエアとしてはファイル管理システムとアプリケーションを備える。