日経オートモーティブ 連載

軽く安くする材料・加工技術・第2回

樹脂製パノラマルーフを
射出プレス技術で成形

帝人化成と名機製作所は共同で、樹脂製パノラマルーフを成形する技術を開発した。ガラス製より軽量だがコストが高いという難点を解消するため、透明部分と黒色の枠を2色成形で一体化するのが特徴だ。この成形技術の特徴を解説してもらう。

帝人化成 プラスチックステクニカルセンター
CAE・加工グループ リーダー
 帆高 寿昌
名機製作所
営業本部 営業企画課課長
 福島 勝仁


 近年、あらゆる分野で地球環境問題に関心が高まっている。こうした中、自動車業界でも化石燃料の枯渇リスクとも相まって、燃料電池車、ハイブリッド車の開発と並行して、燃費を向上させるために車体の軽量化に取り組んでいる。
 この軽量化の手法として、鉄などの金属材料やガラスを、より軽量な樹脂に置き換える試みが多く見られるようになってきた。特に欧州では最近、従来はガラス製だった自動車の大型天窓(パノラマルーフ)を樹脂に置き換える試みが始まり、注目されている。

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図●射出プレス成形機「MDIP2100」
2色成形機能を付加する前の状態。