日経オートモーティブ この会社・この技術

放電精密加工研究所
積層や立体部品
自社開発プレス機で
複雑形状を成形

放電加工を使って機械加工ではどうしてもできない金型加工を手掛けてきた放電精密加工研究所。最近では、金型から表面処理、そしてプレス機の製造販売にまで進出。一貫して共通するのは、他社ができない高精度の加工を実現すること。自社開発したデジタルサーボプレス機では、金型内で部品を積層したり、立体形状を持つ部品を成形するなど、さらに複雑な加工に挑戦している。

 自動車を構成する主要な素材である金属を、より低コストで、より大量に加工できるプレス加工は、古くからある技術として改良が重ねられてきている。それでもなお、いくつかの弱点がある。例えば、平面から打ち出していくため、極端に立体的に絞り込んでいくような加工や、金型が弾性変形してしまうような広い面の均一な加工は難しいと言われてきた。
 しかし近ごろでは、こうした問題も徐々に解決されてきており、これまで予想しなかったような複雑な立体形状や、広い面を均一に加工することが可能になっている。さらには、プレス機の中で部品を積層させるといった複合加工で、異なる素材を一体化できる技術も生まれている。

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図●順層プレスで積層したセンサ部品
打ち抜いた材料を型内で積み重ねていくことで、複雑形状かつ複数材料を使った部品を成形できる。例えばステンレス鋼板と電磁ステンレス鋼板の組み合わせなどが可能。