「半導体,ディスプレイ,太陽電池,無線通信機器などの広範な分野において大きな可能性を持つ技術と考えており,沖電気工業本体として今後積極的に投資していく。このために,グループ企業にまたがる組織横断的な研究ユニットを立ち上げた」(沖電気工業 常務取締役 常務執行役員 兼 技術戦略担当執行役員(CTO)の杉本晴重氏)。

 沖電気工業と,同社の関連企業でプリンター専業メーカーの沖データは,薄膜化した異種材料を分子間力を利用して接合する「EFB(Epi Film Bonding)」技術を共同開発した。化合物半導体などのエピタキシャル成長層を剥離し,Siウエハー上に張り付けることによって,LSIと一体化する技術である。沖電気らはこの技術を既に量産品に適用済みである。これまで同様な技術の研究発表は多数なされてきたが,「量産に成功したのは業界で初めて」(沖電気工業)という。