規格案の募集開始から約5年の歳月を経て,中国の地上デジタル放送の標準規格がようやく固まった。標準規格策定を進めていた国家標準委員会は,2006年8月末に地上デジタル放送の伝送方式を含む国家標準「GB20600-2006」を正式発表した。

 強制規格となるのは,1年後の2007年8月1日である。2008年の北京五輪開催時には地上デジタル放送を実施したいという中国当局の思惑からすれば,ぎりぎりのタイミングだ。「発表から実施まで1年と期間が長い背景には,本来であれば規格策定前に実施すべき試験などがまだ完了しておらず,発表後に試験やデータ測定をする時間を稼ぐためのようだ。それだけ中国当局が発表を急がせたのではないか」(ある中国のデジタル放送関係者)との見方も出ている。