「中国や台湾のメーカーが違反したらしい」――。ここ数年,エレクトロニクス業界を揺さぶってきたEU(欧州連合)のRoHS指令が2006年7月1日に施行され,はや数カ月が経過した。そんな中,業界内では真偽が定かではないさまざまな情報が飛び交い始めている。「あの海外メーカーがRoHS指令に引っ掛かったんじゃないかとか,ウワサの範囲ではいろいろな情報が入ってきている」(ある分析機器メーカーの担当者)。

 ウワサの対象になっているのは,海外メーカーだけではない。ソニーは2006年7月末,同社のWWWサイト上で「当社製品がRoHS指令に違反し,罰金や製品の破棄などの処罰を受けたという一部の情報は事実ではない」とのコメントを発表した。同社は「当初,あるサプライヤーからそうした内容の問い合わせを受け,徐々に同様の問い合わせが増えていった。どうやら2001年に起きた『PS one』の事件と混同したウワサのようだったが,非常に心外な話だ」(広報センター)と語気を強める。