「現在,日本国内では年間約7000人が交通事故で亡くなっている。このうち,1/3以上の約2500人が歩行者である。今回のレクサスでは,その歩行者の事故を減らすことを目指した」(トヨタ自動車)。トヨタ自動車は,2006年秋に発売する新型レクサス「LS460」に,業界で初めて歩行者を認識して自動制動を行う運転支援システム「プリクラッシュセーフティ」を搭載した。

 従来のレクサスや同様な機能を備える競合他社のクルマでは,先行車を検知して自動制動したり,歩行者であろうと判断して運転者に知らせたりすることは可能だったが,歩行者を認識して自動制動することまではできなかった。

 LS460に導入したプリクラッシュセーフティは次のように動作する。まず,2個のカメラ(ステレオ・カメラ)で撮影した入力画像やミリ波レーダからの情報などを基にして,歩行者を含む立体物の位置とクルマからの距離を検出する。衝突の可能性が高いと判断した場合,運転者に警報を発す。この段階では,運転者がブレーキを踏む際に,通常の2倍程度の制動力でブレーキがかかるようにアシストする。