ノート・パソコンやメイン・ボードなどのパソコン産業,携帯電話機といった無線通信機産業,液晶モニターをはじめとするディスプレイ産業など,さまざまな電子機器の世界的な開発・製造拠点になっている台湾――。今,この得意とするメニューにカー・エレクトロニクス産業を加えようと台湾勢は躍起になっている。2006年8月17~20日に台北市で開催されたカー・エレクトロニクス関連の展示会「CarTronics Taipei 2006」(以下,CarTronics展)は,民生機器で培ったIT技術を駆使した車載機器であふれ返っていた。

 最も注目を集めたのは,DFM(design for manufacturing)と呼ばれる,LSIの製造技術に起因するさまざまな問題を設計段階で解決することを狙った技術である。具体的には,製造時の特性や寸法のバラつきを正確に予測しながらLSIを設計することで,生産歩留まりやLSIの性能向上を狙う。

 CarTronics展は今年が1回目である。台湾勢を中心に90社を超えるカー・エレクトロニクス・メーカーが出展し,6万人近い来場者を集めた。機器のデモンストレーションには,実際に動作している様子をひと目見ようと多くの来場者が群がっていた。