めっき被膜表面に発生するヒゲ状の金属結晶のこと。直径が数μmと細く,長さは数十μm~数mmに達する。折れて飛散したり端子間を短絡したりすると,電子機器の誤動作や信号不良を招くことがある。特に,最近ではめっきのPbフリー化がウイスカの発生に拍車を掛けている。例えば,デジタル民生機器に使うピッチ幅の狭いコネクタやフレキシブル基板で,ウイスカの発生が確認されている。このため機器メーカーと部品メーカーは業界を挙げて対策に取り組んでいる。

 エレクトロニクス業界は古くからウイスカによる機器不良に頭を悩ませてきた。例えば,最初にウイスカによる不具合が認知されたのは20年以上前に起きた電話交換機の故障といわれている。交換機の筐体内側に施しためっき表面でウイスカがゆっくりと成長し,やがてプリント基板の端子などに接触した。このとき,通信機器メーカーなどはめっきに使う金属を変更するなどして対応した。