<モデルとは何か>
「書く」から「描く」へ
設計図中心の開発体制は必然

 「プログラムを書く」から「設計図を描く」に。ソフトウエア開発の常識が変わる。デジタル機器の競争激化により,多様な機種を矢継ぎ早に投入しなければならない今,機器メーカーにとって,ソフトウエアの体系的な再利用が喫緊の課題となった。これまでのソース・コード中心の体制を維持したまま,多機種展開のために改変を重ねれば,ソフトウエアの構造は疲弊し,品質問題はさらに多発しかねない。設計図を中心にした「モデル・ベース開発」を実践すれば,こうした問題を回避しやすくなる上,開発効率の向上も期待できる。

<FAQ集>
10分で分かるモデル・ベース開発

<ケース・スタディー編>
ペンタックス/理想科学工業/ケンウッド

<基盤技術編>
モデル化で再利用性向上
連続系モデルとも連携へ

 モデル・ベース開発を実践できれば,ソース・コード中心の開発と比べ,大幅な生産性向上が望める。しかし,そのハードルは決して低くない。分析・モデリングのための方法論やメタモデルなど,高度な技術的知識を身に付けた上で実践経験が必須になる。加えて,組み込み用途ならではの事情に対処することも肝要だ。最近では,組み込み分野でよく使う連続系モデリングとの連携手段が見えてきた。