第1部<動向>
もう「遠い存在」ではない
情報化が参入機会を生む

 「医療・健康」の分野に対してエレクトロニクス・メーカーの参入が相次ぎ始めた。医療の構造改革を推進する政府の施策により2006年以降,医療・健康分野の「情報化」が加速する。ここに,さまざまなビジネス・チャンスが生まれる。デジタル家電やクルマに続く市場を探すメーカーにとって絶好のチャンスが訪れようとしている。

第2部<健康分野>
戦いの場は家庭へ
測定や分析に知恵を絞る

 生活習慣と関連する病気で死亡する人が増えている。これを解決するために,家庭の役割に注目が集まる。家庭で連続して複数の項目を測定することで病院の一時的な測定では見えなかった兆候が見えてくる。それを実現するために,ユーザーの手間を減らすセンサ技術やデータの分析技術,運動や食事の管理など健康維持を支援する機器異なる測定機器間などでの連携技術の開発が活発になってきた。

第3部<医療分野>
進む「いつでもどこでも」化
表示装置や電子部品に脚光

 電子カルテの共有化,遠隔医療の普及,医師一人に1台の診断機器…。「いつでもどこでも」医療を実現する取り組みが盛んになっている。患者からすれば負担を低減できるほか,均一な医療を受けられるなど利点が多い。ただし,この動きを待ち望むのは患者だけではない。エレクトロニクス・メーカーにとっても強い追い風となる。電子カルテや遠隔医療に向けた表示装置,機器の小型化に向けた電子部品…。今後の医療を下支えするエレクトロニクス技術の開発が活発化しそうだ。