「日本の家電業界は世界一。次世代ネットワーク(NGN)の発展に向け,ぜひ手を携えていきたい」(NTT 第二部門 次世代ネットワーク推進部門 ネットワーク戦略担当部長の雄川一彦氏)。

 NTTは,既存の電話網を置き換えるNGNの本格構築を2007年度下期から始める。NGNは,ユーザーやオンライン・サービスの提供事業者の要求に応じて通信サービス品質(QoS)やセキュリティーを保証できるIPネットワークである。2006年末からNGNの実証試験を始めるNTTは,2006年7月中旬に機器やサービスの開発に必要なUNI,SNI,NNIという3種類のインタフェース条件を公開した。

 NTTが家電業界に対してラブ・コールを送るのは,NGNの成功には機器メーカーの積極的な参加が不可欠と判断したからだ。「次世代」を冠するものの,NGNではこれまでにはない通信速度や特に目新しい機能を提供するわけではない。NGN上で提供できる通信サービスの例としてNTTは,IP電話やテレビ電話,コンテンツ配信などを挙げる。これらは既存の通信や地上波放送,ケーブルテレビなどで既に実用化されている。