「もっと早く判断できなかったのか…」。NECと松下電器産業グループの携帯電話機事業の再構築について,ある関係者はこう語る。両グループは2006年7月中旬,携帯電話機のOSやミドルウエアなどを開発する合弁会社(名称未定)と,通信用IPコアを外販する合弁会社のアドコアテックの設立を発表した。

 国内の携帯電話機市場では上位を占めるNECとパナソニック モバイルコミュニケーションズ(PMC)だが,このところ収益が悪化している。売り上げが減る一方で,巨額の開発費が重くのしかかる。今後国内市場が拡大する望みは薄く,両社とも単独で海外市場で勝ち抜く競争力があるとは言い難い。今回の再編は,このままでは以後の技術開発がままならないほど追い込まれた末の決断というわけだ。