電気通信技術の標準化機関であるITU(国際電気通信連合)が,通信用のIPネットワークの上で放送型のサービスを提供する「IPTV」の標準化作業を始めた。本連載では,IPTVの標準化作業に参加するNTTの技術者が,IPTVサービス実現に必要とされる4要素について,詳細を解説する。 (菊池 隆裕=本誌)

後藤 良則
NTTアクセスサービスシステム研究所
光アクセスシステムプロジェクト次世代アクセスシステムグループ
主任研究員


 IPネットワーク上で放送型サービスを実現する「IPTV」が,注目を集めている。一部の事業者はインターネットの上でサービスを既に開始しており,2006年7月からは電気通信の国際標準化機関であるITUが標準化作業を本格化している。  国内外の関係者と話していて感じるのは,IPTVの定義があいまいであり,つかみどころがないことである。以前の「マルチメディア」のように,都合よく使われている。