日経ものづくり 中国的低価格部品選定指南

第8回
印刷物はコスト9割減が目安
「ニクロコソロ」をいかに防ぐか

製品に付けるシールや説明書などの印刷物も,中国ではざっと1/10のコストで調達できる。ただし,業者のスキルや経験不足がもとで,フォーマットや文字の間違いが散見される。このミスを防がなければ,コスト削減はおぼつかない。(本誌)

遠藤 健治 海外進出コンサルタント


 部品といえば製品の構成要素を思い出しますが,その付属品も忘れてはいけません。軽視されがちですが,意外にコストがかさむものの代表が印刷物です。例えば,部品の簡単な説明を記載するシールや,製品の説明書といったものです。
 簡単な説明や注意書きを記したシールを1枚張っておくだけで,その製品に対して顧客が抱く印象はかなり良いものとなります。親切で丁寧な説明書が付いていれば,その製品に対する顧客の信頼度が高まるものです。だからこそ,ブランドイメージを大切にするメーカーほど,こうした印刷物にとことんこだわるのです。
 ところが,この印刷物のコストがばかになりません。ちょっとしたシールを作るだけで,まず,デザイン費や版代,試作費が必要になります。その上で必要な枚数を刷るための印刷費が掛かってくるのです。
 実際,私はこれまで何度も日本でこうした印刷物の見積もりを依頼してきましたが,業者から返ってきた見積書にはため息が出るばかり。しかし,中国であれば非常に低コストで印刷物を調達できることが分かったのです。
 ものにもよりますが,そのコストは日本の1/3から,うまくすれば1/100とすることも不可能ではありません。目安は1/10といったところです。

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