ソニーが「AIBO」などのロボット事業から撤退するなど,市場の創生に向けて後退の感があったパーソナル・ロボット。それがここにきて,新たな展開を見せ始めた。パーソナル・ロボット開発ベンチャーのゼットエムピー(ZMP)が技術者向けのロボット教材「e-nuvoシリーズ」を2006年7月に発表したほか,米Microsoft Corp.がコンピュータ・サイエンスの教育にロボットを活用するため,ロボット用ソフトウエアの開発キット(SDK)「Microsoft Robotics Studio」を同年6月に公開するなど,ロボットを一般消費者に販売するのではなく,技術者の教育に役立てようとする動きが相次いでいるのだ。Microsoft社はSDKの発表にとどまらず,米国の大学と共同で「Institute for Personal Robots in Education(IPRE)」と呼ぶ組織を設立し,コンピュータの素養を教えるためのプラットフォームとして,ロボット事業をパソコンに継ぐ柱に育てようともくろんでいるほどである。