「口紅くらいの大きさしかない」「ケータイが3回も充電できるの?」――。2006年7月19~21日に開催された通信関連展示会「ワイヤレスジャパン2006」のNTTドコモのブースには人だかりができた。来場者の目当てはNTTドコモとアクアフェアリーが共同開発した固体高分子型燃料電池だ。携帯電話機の外付け充電器として利用可能で,外形寸法は24mm×24mm×70mm,重さは45g。NTTドコモはこれまで富士通研究所とダイレクト・メタノール型燃料電池(DMFC)を共同開発しているが,それに比べて今回の開発品は体積が1/4に,出力が2倍の2Wになった。

 ここまで小型化できた理由は,出力を高めやすい水素を燃料に利用したのに加えて,改質器などを使わずに金属系水素発生剤と水だけで水素を発生できるため。水と水素発生剤を搭載する容量10mLの燃料カートリッジ1個で10Whの発電電力量があり,携帯電話機を3回は満充電できる。