EMIを水晶発振器の選択で防ぐ

電子回路の動作周波数が高まるにつれて,EMI問題は深刻になる一方である。クロックの源である水晶発振器の周波数を制御して放射電磁雑音の周波数特性を変えることで,EMIの低減が可能になる。今回は,こうした機能を持つ水晶発振器の使い方について解説する。(野澤 哲生=本誌)

坂井 義幸
エプソントヨコム 営業統括部 新市場マーケティング部 主任

 プリント基板などから発生する電磁波が起こすEMI(electro-magnetic interference)問題は,LSIなどの動作周波数が高まるにつれ深刻さを増している。このEMIを抑え込むには,回路設計を根本的にやり直すか,金属シールドや電磁波吸収シートのような対処療法でしのぐかの,いずれかを迫られるのが一般的である。しかし,こうした方法は非常に手間や時間がかかる上に,必ずしも有効であるとは限らない。

 今回は,EMI対策に手を焼いた家電メーカーが,ある機能を備えた水晶発振器を利用して,EMI問題を短期間に解決した事例を紹介する。