機器を開発する上で避けて通れないのがコンデンサの選択である。100μF以上といった中~大容量品についてはAl電解コンデンサの価格が安いため,これまで広く使われてきた。ところがここ数年,異変が起こっている。Al電解コンデンサを回避するケースが増えているのである。

 見直しの一因は,セット機器にとってAl電解コンデンサの寿命が足かせとなってしまう場合が増えているからである。いわゆる「寿命部品」であるAl電解コンデンサは「使わなくてよいのであれば,使いたくない」(電源モジュール・メーカーの技術者)もの。コンデンサ内部の電解液が蒸発したり化学変化を起こしたりするため,静電容量が減ったり,等価直列抵抗(ESR)が高くなったりするなど,時間とともに必ず特性が劣化する。