日経オートモーティブ Key Person

日経オートモーティブ Key Person

本田技術研究所 執行役員
四輪開発センター 第4技術開発室長

堀内守司氏

1979年入社。人間工学の技術開発に続き、完成車としての性能研究部門を担当。1996年に3代目「レジェンド」の開発責任者(LPL)。1999年シャーシ系技術統括、2002年車体系技術統括。2006年4月、安全・電装・材料の車両要素技術開発を担当。


 ホンダは2006年夏にポップアップフードを搭載した「レジェンド」を欧州で発売する。このシステムは、歩行者の衝突を検知するとフロントフード後端が持ち上がり、歩行者の頭部への衝撃を低減するもの。本田技術研究所安全担当執行役員の堀内守司氏に、ホンダの安全技術の方向性や将来の展開を聞いた。(聞き手は小川計介)

―――安全技術の開発はどの方向に進みますか
 ホンダの安全技術は、クルマに乗っている人と乗っていない人の両方の安全性を高める「共存安全思想」を基にしています。人間尊重の企業理念を根底として時間や地域を越えて安全性を追求していきます。  他社に先駆けて、ABSやエアバッグなどの安全技術を商品化してきたのも、これらの考えに基づいてのことです。
 また、これまでにもクルマとクルマが衝突する時にお互いの安全性を高める「Car to Car対応ボディ」や歩行者保護性能などの衝突安全技術、レーダを用いた追突軽減ブレーキ、ナイトビジョンといった先進予防安全技術も展開してきました。

商品の幅が広がる
――ポップアップフードの採用で何が変わりますか
 クルマのスタイリングと安全性の両立が高い次元で可能になります。クルマのコンセプトにもよりますが、低いフードのスタイリングを保ちつつ、安全性を向上させようとするとポップアップフードを採用しないと商品化が難しい場合があります。ポップアップフード導入で「商品作りの幅が広がった」ともいえるでしょう。