経済産業省と情報処理振興機構(IPA)は,組み込みソフトウエア産業の実態を調査した「2006年版 組込みソフトウェア産業実態調査報告書」を発表した。2003年から開始して今回で3回目となるもの。大学や高等専門学校などの教育機関,都道府県などの地方自治体にも調査対象を拡大するなど,調査のすそ野をより広げた。

 今回の調査では,ソフトウエア品質の二極化の傾向が鮮明になった。具体的には,製品を出荷した後の不具合がゼロと回答した企業の割合が,前回の7%から23%に増えるなど改善が進んだ。一方で,3割以上の製品で品質問題が発生したと回答した企業も前回の13%から20%に増えた。組み込みソフトウエアが大規模化して開発が危機に瀕しているといわれているが,複写機などのOA機器や自動車メーカーなどソフトウエア工学の実践に積極的に取り組む一部の企業で着実な改善が進む半面,民生機器などを手掛ける電機メーカーなど有効な対策を打ち出せないまま苦しむ企業も同時に増えている。