フラッシュ・メモリはまだまだ速く,安くなる――。2006年6月に米国で開催された国際会議「2006 Symposium on VLSI Technology」では,従来を上回るペースで性能向上やコスト低減を達成するために,半導体メーカーがフラッシュ・メモリの抜本的な構造変更に挑む姿勢が鮮明になった。

 デジタル・カメラから携帯型音楽プレーヤー,携帯電話機へ拡大してきたフラッシュ・メモリの用途は,今後ノート・パソコンやビデオ・カメラなどに広がる方向が見えている。急成長を続けるフラッシュ・メモリ業界では,新規参入組も含めて,メーカー間の競争が激しさを増す一方だ。メモリ・メーカー各社は,性能やコストで他社に明確な差をつけることが不可欠になりつつある。このための切り札が,セル構造や動作原理の抜本変更である。