タッチ・パネルは,液晶パネルなどのディスプレイ上に配置して使う。ディスプレイに表示したスイッチに触れて機器を操作する,指やペンでなぞったディスプレイ上の軌跡を読み込ませて文字や絵を手書き入力する,といった用途で使う。ATMや自動券売機,パソコンなどで用いる大型パネル,カーナビやゲーム機,PDA,複写機,一部の携帯電話機などで使う小型パネルというように,身の回りにある数多くの機器で利用されている。最近では簡単に漢字入力できるとして,中国市場での携帯電話機に搭載される事例が増えている。パソコン向けでも採用例が増えそうだ。従来のタブレット・パソコンに加え,2007年に登場するMicrosoft社の次期OS「Windows Vista」ではペン入力機能を拡充しているからだ。 (大久保 聡)

 携帯電話機に使う2型台の小型液晶パネルから,産業機器や業務用端末に使う10型超の大型液晶パネルまで,タッチ・パネルと組み合わせるディスプレイは幅広い。屋内外や炎天下など使用環境もさまざまであり,画面の見やすさや耐久性など,優先する特性は機器ごとに異なる。多様な要求に応えるため,タッチ・パネルには抵抗膜方式,静電容量方式,光学方式,表面弾性波(SAW)方式,電磁誘導方式といった五つの技術がある。機器設計者は機器の大きさや使い方に合わせて,所望の方式を選ぶことになる。