ソニーや松下電器産業,韓国Samsung Techwin Co.,Ltd.といったエレクトロニクス・メーカーが,デジタル一眼レフ市場に本格進出する時代がやって来た。コンパクト型デジタル・カメラの市場における実績を引っ提げての,満を持しての参入といえる。ただし,エレクトロニクス・メーカーにとってキヤノンやニコンといったカメラ・メーカーが君臨するデジタル一眼レフ・カメラ市場の攻略は,一筋縄ではいきそうもない。光学系の設計ノウハウが,コンパクト機に比べて格段にものをいうからだ。

 世界初のデジタル一眼レフ・カメラは,米Eastman Kodak Co.が1991年に発表した「Kodak Professional Digital Camera System」といわれている。ニコンの一眼レフ・カメラ「F3」から背面のフタを外し,130万画素の撮像素子を搭載したモジュールを装着する構成だった。撮影した画像は,ケーブルを介してつないだ専用装置が備える200MバイトのHDDに格納した。つまり,コンパクト・カメラの開発では実績のあったKodak社でも,一眼レフの光学系はニコンに頼る形だった。