松下電器産業とソニーは,HDTV映像を撮影できるビデオ・カメラの規格「AVCHD」を2006年5月に発表した。直径8cmのDVDディスクに,MPEG-4 AVC/H.264(以下,H.264)方式で圧縮した映像データを記録する。圧縮率が高いH.264を採用することで,2倍速の8cm DVDディスクでHDVとほぼ同等の画質を実現できるという。片面ディスクで約20分,両面ディスクなら約40分記録可能である。DVD以外の記録媒体の利用も視野に入れる。松下電器産業は,SDメモリーカードを使うビデオ・カメラにもAVCHDのライセンスを与えることを検討している。

 両社は,AVCHD規格をあらゆる企業に分け隔てなくライセンス供与する方針である。2006年夏までに規格の詳細を詰め,ライセンスを開始する。規格に対応したビデオ・カメラは2006年末から2007年春に登場する見込みである。

 HDTVビデオ・カメラ市場は,ソニーのHDV対応機「HVR-HC1」「HVR-HC3」が記録的な成功を収めたことで機器メーカーの注目を浴びた。松下電器産業は「2010年には,世界で出荷するビデオ・カメラのうち6割がHDTV対応に移行する」と予測する。